昔の文人たちには恋愛沙汰が多いのです。
もうしもうし柳河じゃ柳河じゃ と詩に詠んだ白秋
毎年2月11日~4月3日は水郷ならではのひな祭り「さげもんめぐり」の
つるし飾りが街を美しく彩るのだそうです。
さて、北原白秋の短歌に
君かへす朝の舗石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ
と言う歌があります。これ、一夜を共にした恋人が朝帰って行くのを見送る情景を詠んだ歌、と(ネットでも)解釈されてるのですが、私、何かでこれはそんな歌ではないと書かれてるのを読んだことがあります。
当時(明治45年)、まだ日本には姦通罪と言う刑法の犯罪があって、なんと白秋、その姦通罪で投獄されています。相手の女性が人妻だったからです。その獄に女性が朝、面会に来たのを帰した時の歌だと。こんな解釈はそれしか見たことが無いのですが、他の解釈でも相手が人妻であることを言っています。だから「君帰る」ではなく「君かへす」 獄舎で「こんな所へ来てはいけない」と帰したか、「辛いが早く家へ帰りなさい」と帰したか…ともかく白秋は禁断の恋をして、その(夫と離婚した)恋人と結婚はしたもののやがて離婚。
その後、白秋は二度結婚しています。恋に懲りない…
私事ですが、40数年来の友人たちと最近LINEトークを楽しんでいます。友人の一人が「ゆきてかえらぬ」を観たと言うので私、うちにある「別冊太陽 近代恋愛物語50」を思い出して久しぶりに(40年ぶりくらい)に中をパラパラめくってみました。
「ゆきてかえらぬ」の中原中也、長谷川泰子、小林秀雄、の三角関係もあれば、明治~昭和30年代の学生運動家の恋愛書簡まで、いろんな著名人の恋愛模様が列挙されてました。(この雑誌の長い前書きを瀬戸内晴美が書いているのも興味深い)
白秋の投獄事件ももちろん出てるのです。作家やら芸術家やらの恋愛スキャンダルが満載のグラビア雑誌でした。
作家やら画家やら才能ある男って、それだけでどこかセクシーなんでしょうね。だから女が放っとかない。反対に才能ある女を好きな男ってあまりいないような気がする。(理由もなんとなくわかる気がするけど敢えて、書きません。。。)
↓この女性は松井須磨子(彼女も登場します)
※朝日新聞の朝刊に連載中の門井慶喜の「夫を亡くして」のモデル、北村透谷と石坂ミナも出てます。(透谷亡き後のミナの生き方を描いてゆくそうですが)
何だかマンホール、カレンダーから話がずれてきました。でもたまには良いでしょ。
3/3