らんぷの仕業

s’il vous plait  よろしくお願いします。

ラブクラフト著「インスマスの影」

マタンゴ」や「コールドスキン」やその他の異形ホラーの原点なのかな?

 

30年ほど前に佐野史郎主演の奇妙な(と言うより奇怪な)ドラマを見たことがある。

見たと言ってもほんのチラっとだけ。チャンネルを回した途端に画面に、魚とも人間ともつかぬ顔がバンッと現れたのだ。吃驚してチャンネルを変えた。それだけ。

新聞のテレビ欄を観たら佐野史郎主演とあった。ちょうど佐野史郎が「ずっとあなたが好きだった」でテレビドラマ史上に残る「冬彦」と言う強烈キャラクターでブレイクした頃だ。佐野史郎ならありかなと思ったのを覚えていたが、それしか覚えていない。タイトルも片仮名が入ってたと言う事くらいしか記憶にない。

時々、あれはいったい何だったんだろうと思いだしたりしていたが、普段は忘れている。

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(画像はネットから)

 

先日、光明池の書店で文庫本を探している時に「インスマスの影」なる本が目に止まった。「あ!」と思った。あのドラマだ!そんなタイトルだった!直感が勝って本を手に取った。

解説に「佐野史郎の主演でー」と書いていた。やっぱりあのドラマだ。

独りで読んでると何となく気味が悪くて周りに人がいる時だけ読んでいた。例えば病院の待合室とか。名前を呼ばれると「うーん、もっと読ませてよ」と思いながら本を伏せる。大勢の人のいる中ではいくらでも読める。一人だと怖い。そんな恐怖心をくすぐる小説だ。

原作のストーリーは、旅行者である主人公が奇妙な形相の人間たちのいるインスマスと言う寂れた街(舞台はアメリカ)に入り込み、奇怪な体験から逃げてようやく普通社会に戻って来るも…

と言うような話。この手のストーリーはいくつかの小説や漫画で読んだり、映画やドラマで見たりした事がある。映画なら「マタンゴ」「コールドスキン」漫画なら池上遼一の「白い液体」 普通ならざる者(物)に取り込まれていく主人公には恐怖を越えた悦楽もあるのかもしれない。

作者のラブクラフトは文学仲間とクトゥルーと言う架空の神話を創造したりしているけれど、その生涯は不遇で生前に出版されたのはこの本1冊だけだったとか。

 

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上の記事には関係ないですが、こんな歌を。「街」は2分42秒後から。

♬なのに忘れたあなたと今も行きたい街~(この頃の桃井かおり、好きだった)


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